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日中関係は８月上旬から尖閣周辺で中国漁船や公船の領海侵入が相次ぎ、険悪な状態だった。
中国の孔鉉佑外務次官補の訪日が見送られ、日中韓外相会談実現を危ぶむ声もあった。
中国が応じるのは自国 開催のＧ20首脳会議の成功に向け、日本とも対話する姿勢を演出する狙いがあるようだ。
尖閣周辺での挑発行為は中国共産党の重要会議北戴河会議の開催時期と重なり、習指導部が求心力を高める思惑だったとの見方が多い。
会議が一区切りついたとみられる10日以降は16日まで中国公船が領海には侵入しなかった。
11日に尖閣沖で貨物船と衝突して沈没した中国漁船の乗務員を海上保安庁が救助した際、ネット上でありがとうの書き込みが相次いだ。
関係者によると、中国政府は15日に首相や稲田朋美防衛相が靖国神社参拝を見送ったのを確認後、日中韓外相会談に関する調整を本格化させたという。
国内世論の反日感情を刺激するのも避けている。
国営中央テレビで尖閣問題を伝える番組はほとんど なく、15日の終戦の日に関する報道も抑制的だった。
反日で盛り上がれば政府間対話ができなくなりかねず、報道をコントロールしているとみられる。
ただ中国が海洋権益問題で譲る可能性は低い。
習指導部は領土問題で強硬姿勢を続けており、来秋の共産党大会を控え軟化姿勢は見せにくい。
中国の外交関係者は大規模な船団が尖閣周辺に押し寄せるのは一時的なものだが、尖閣への圧力は間違いなく続くとみる。
Ｇ20首脳会議が終われば再び態度を硬化させるとの見方も多い。
北京の複数の外交筋は11月の米大統領選までに中国がどのような行動に出るか注視していると語る。
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